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続きです。


※※※
手を上げられると思い、シエルは軽く目を瞑ってその痛みを覚悟していたのだが
実際には指先一つで頬を突かれただけだった
執事はからかうような言葉を自分に投げ掛けると
そのまま執務机に向かい書類を整理し出した

―――拗ねている?
この僕が?

しかも「今日は最低限の書類に目を通すだけでいい」などという
執事の口から聞いた事もない言葉に耳を疑った
聞き間違いかと思い、思わず間の抜けた声を漏らしてしまう
しかし執事の表情を見る限りどうやら冗談ではないらしい
その態度に何故か無性に腹が立った

「馬鹿にするな!。誰が疲れてなどいるものか!。」
「馬鹿になどしておりませんよ。」
「…お前はもう下がれ。今日は僕が呼ぶまで部屋に誰も近付けるな。
夕食もお茶も、僕が呼ぶまではいらない。」
「…坊ちゃんがそう仰るのでしたら。
では私は下がらせて頂きますので、御用がおありでしたらお呼び下さい。」

セバスチャンは胸元に手を当て、軽く一礼すると
シエルの追い払おうとするような険しい視線を受けて早々に執務室を辞去した

バタン、と静かに扉が閉められると、其処には広すぎるスペースにたった一人
アンティークの時計だけが時を刻む音を奏でる。

このまま立ち止まっていても仕方がない
シエルは小さく息を吐き髪をかき上げると
たどたどしい足付きで机へと進み腰を下ろす

―――今日は本当にどうしてしまったのだろう、自分は
原因不明な苛立ち、焦り…
奴を見ていると特に症状は悪化する
今日は奴を傍に近付かせない方がいいと思った
でなければ―――…

「…。」

埒もない思考を振り払うように瞳を閉じる

それから数時間は仕事に熱を注いだ
支出稟議書にサインをし、再度提出させた新商品の玩具の設計に目を通す

…と、ふと羽根ペンのインクが切れそうになるのに気付く
当たり前のように執事を呼び付ける為のベルへ伸ばした手をビクリと止めた

…そうだ、今日は奴を呼ばないのだった―――

シエルは椅子から立ち上がると、仕方なく自分でインクを充填する
しかし、こんな事をするのは初めての経験である為
その勝手が分からず、誤って黒いインクをウォルナットのテーブルに零してしまった
ぎょっと驚き慌てて近くにあった布地で拭き取ろうとするが
それは運悪く上質のシルク素材で出来た布であった為
ただ悪戯にインクを伸ばしただけだった
そうこうしている内にインクはどんどん垂れていく
テーブルを支配するようなインクと絨毯のシミ…

「…どうするんだ、これ…。」

どうする事も出来ないのを知りつつも
出来る限り擦ってみるが一向に消えない黒いシミ
まるで自分の心にも似て嫌な気分だった

諦めが付く頃、ゆっくりとその場を離れ
真っ黒になった手を濯ぐが殆ど落ちてはくれなかった

ふと見上げた窓の外
今宵は綺麗な満月だった
道理で血が騒ぐはずだ、と内心一人ごちるが

「…何を言っているんだ、僕は…。」

まるで悪魔の言い草のようで自分自身を嘲笑った


※※※

零れたインクはそのままにしておくのが坊ちゃん流
 

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