∴ black contract 15

また続きです。

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「…っ！？。」

近い未来我が社が建設する遊園地の現場への業者との視察を計画し予定帳を眺めていると
屋敷の何処かで派手な音が木霊した
また誰かが何かをしでかしたらしい
いつもなら頭の中に苛立ち要素が増殖するのだが
何故か今日は許せる気がした
この広い屋敷にたった一人ではないという事を知らせてくれるようだった

「…腹減ったな…。」

この時間になるまでに何度ベルに手を伸ばしてしまったことか
しかしその度に思い出したように手を引っ込める

―――この苛立ちがなければ…
そもそも、何故こんなに苛々するのだろうか？
元はといえば、足を怪我してから
なのにあの執事ときたら足の状態よりも次のレッスンを心配する始末
頑張ってダンスのレッスンを受けても褒め言葉一つかけてはくれない
奴には人間らしい感情っていうものがないのか！？

「～～～っ。」

執事の胡散臭い笑顔が浮かんで羽根ペンを折れそうな程強く握り締める。
そこで、ふと気付いた。

「……。」

―――「人間らしい感情」―――
そうか、自分はそれを見たいのだ
「喜」「怒」「哀」「楽」どれでもいい

まるで面白いゲームを見つけたように、シエルは口の端を上げた

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