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かなりの連投です。


※※※

家女中が引っくり返したのは、今回は幸い壊れ物では無かった
とは言え、書庫の棚一つ分の書籍が散らばっている部屋というのは
見ていて愉しいものでも無く
頭痛を覚える心境でパニック状態の家女中を宥め賺し
あれやこれやと指示を飛ばしている内に
更に幾らかの時間が過ぎた

ふと取り出した銀時計
その針が示す時刻に僅かに目を見開いた

「……。」


幾ら何でも―――
不機嫌であろうが無かろうが、肉体的には子供の主が
空腹を覚えない筈が無いのだが
まさか、意地になって夕食を食べないつもりだろうか?

「私は執務室に居ます。くれぐれも、片付けはお静かにお願いしますよ。」

 


家女中に言い置き、足早に執務室へと向かう
普段より僅かに性急なノック音が響いた

「…坊ちゃん?。」

扉一枚を隔てて沈黙が返される
寝ているか、仕事に没頭しているか―――主の行動に憶測を巡らせる

その時、床とドアの間からヒヤリとした冷気を感じた

「……?。」

執務室の窓が開いている?
訝しげに足元を見下ろすのに僅か数秒の間
英国の冬、外は厳寒の月夜だ
薄い雲からちらちらと舞う粉雪を廊下の窓から目にしていた

主が窓を開ける理由があるだろうか…それとも―――侵入者?

「―――坊ちゃん!。」

バン、と激しい音を立ててドアを開け放つ
さぁっと冷えた夜気が流れてくる先を見遣れば
窓枠に引っ掛かるようにして危なげにバランスを保つ―――いや
崩しつつある主の姿

何を考える暇も無い、黒い疾風のように窓辺に駆け寄ると
主の上着の背を掴んで引き摺り戻した

「―――ぅ、わ…ッ。」

突然に強い力で引っ張られ再び室内へと戻されたシエルは思わず驚きの声を上げた
上半身は雪に塗れ、両手や袖は黒ずんだまま
そして頬は桃色に染まり瞳は熱く緩む
そんな状態で数回瞬きをすると
何が起こったのか理解出来ないような声で呟き

「…セバス、チャン…?。」

月光と雪明かり
窓から射し込む光は夜とは思えない明るさだった
それが、主の目を眩ませたのだろうか

「…坊ちゃん、これは…!?。」

シエルの小さな手、その手首を殆ど戒めるような強さで握る
白い手袋と黒ずんだシエルの手の対比は鮮烈で
まるで血に塗れているかのようだった

潤んだ瞳を覗き込めば
何処か呆けたような表情に、一層の懸念が増す
開いたままの窓、其処に不穏な気配は無いが
咄嗟にセバスチャンはシエルの身を護るように腕を廻した
冷えた空気が流れたが、我知らず息を詰めている執事の口元に
白く霞む呼気は見えない

※※※
 

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